台本

掛け合い

Ver.3 そういう生き物。

■=魔王様
■=神様
「たーのーもー」
「ん、何だ……おう、魔王ではないか!」
「そうだ。友のよしみで会いにきてやったぞ。わしが倒したかったのじゃろう?」
「いや、それはそうだが、それについては勇者をもうやっておる」
「おう、知っておるぞ。最近うちの下っ端悪魔どもをいじめて、もう仕方ない人間がいるものじゃのうと笑い種じゃ」
「ほっほ、その子の子の子の子ぐらいになれば、そなたを殺す方法を見つけるかもしれぬぞ」
「それは恐ろしいな。今のうちに、世界の美人をすべてわしとお前のものにしてしまおうかの。それなら子供も生まれまい」
「何故美人のみなのだ。勇者なのだから、顔にそう執着はない可能性の方が高いぞ」
「おぬし、考えているようで考えていないな。勇者は確かに顔に執着のないケースの方が高いが、それでも何故か恋人は美人な のだ。心に惚れたとか、好きになった人がたまたま美人だったとか言うがな」
「なるほど。勇者という生き物は面白いの」
「だから、いつかわしを倒しにくるのじゃよ、あいつは」
「……ふむ、それは困るな。数千年も付き合っている友はお前しかおらぬ」
「まぁ、それが宿命というものぞ。だからわしもこうして来たのだ。お前が勇者を送るまでは遠慮していたが、そう聞いて、も う覚悟ができたからのう。これか ら百年、そのあたりでわしは死ぬじゃろうしの。ほっほっほ。まぁ……天の神よ、若き日のことを覚えているか」
「なにを言う。一度も忘れたことはない……!」
「な、何だ何だ、なにをしんみりしておるのだ。わしには娘もいるし息子もいる。それらがまたお前と敵対するであろう。第 一、勇者を送ったのはお前ではない のか」
「まぁ、そうなのじゃが……うーむ」
「何やら今日は日が悪かったようじゃな。でもお前もわけのわからんやつだ。自分で送ったものに悩むとはな。しかもその行く 末まで。お前は神なのだから、何 でもできように。それではな」

≫がちゃ。魔王去る。

「……そうか、私は神なのだ。ならば……勇者を今ここに呼び、説教たれたりして先に進ませないことも無論、可能なのだよ な……。よしっ! おい、天 使共。何所にいるのだミカエル、ラファエル、ガブリエル! おお、そこか。よし、任務ができたぞ。そうじゃ、お前らも悪魔のほら、何といったか。あいつら と仲良くし続けたいであろ。よしよし、ではこうしてこうしてむにょむにょむ、じゃ!」

≫そしてその二ヶ月後、悪魔城では。

「……やつも単純なのだな。あれから、勇者の行動がまったく見られん。しかも世界各地で美女が少しずつ減ってきてい る……。まあよい、これで死なず に済んだ。いや、友とはいえ、わしは魔王じゃ。神とは優しくほだされやすく矛盾があり、魔王は徹底的に保身をする生き物なのじゃ。フーハッハッハ。フハハ ハハハハハハハ!」